【営業論】外注先から値上げの相談が来たときの対応|社長が確認する3つのことと返事の型

2026/10/19

【要点】
・取適法(2026年1月施行)は、外注先から価格の協議を求められたら、応じて説明することを求めています
・最初に確認するのは、何が・いつ・どれだけ上がるか、そして受けられる範囲です
・返事は、1営業日以内に3行で送ります

外注先から「値上げをお願いできませんか」と連絡が来た。

そのとき、返事を後回しにしていないでしょうか。

野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。

今日は、外注先や仕入れ先から値上げの相談を受ける側の話をします。

この記事の流れ

  1. 2026年1月から、価格の協議は「応じて、説明する」ものになった

  2. 最低賃金も、10月から順番に上がっている

  3. 値上げ相談を受けた社長が、最初に確認する3つのこと

  4. 売る側の視点:断られる理由を「価格」のせいにしない

  5. 顧客に損をさせない。同じことが、外注先にも言える

  6. 返事の型:この3行を、1営業日以内に送る

  7. 取引先の一覧を開いて、確認してほしいこと

  8. よくある質問

  9. まとめ

2026年1月から、価格の協議は「応じて、説明する」ものになった

2026年1月に施行された取適法は、外注先から価格の協議を求められたのに、応じず、説明もしないまま、一方的に代金を決めることを禁止しています。

細かい条文の読み方は、専門家に確認してください。社長が押さえておくのは一点です。値上げ相談への返事を、後回しにしない。

最低賃金も、10月から順番に上がっている

2026年度の最低賃金は、全国加重平均で1,177円です。いちばん高いのは東京都の1,280円。発効日は10月1日から12月2日まで、地域ごとに順番に来ます。

時給で人を雇っている外注先ほど、人件費の上がり方は早くなります。値上げの相談が増える時期だと考えておくほうが、慌てずに済みます。

値上げ相談を受けた社長が、最初に確認する3つのこと

1つ目は、何が上がったのかです。人件費なのか、仕入れなのか、運賃なのか。理由を、相手の言葉で聞きます。

2つ目は、いつから、どれだけ上がるのかです。「厳しくて」だけでは判断できません。数字を出してもらいます。

3つ目は、こちらが受けられる範囲と、受けられない範囲です。全部受ける、全部断る、の二択にしないことが大事です。たとえば、開始時期をずらす。数量を見直す。納期に余裕を持たせる。条件を動かせば、双方が損をしない形が見つかることがあります。

この3つを、メール1通で返せる形にしておくと、後回しが減ります。

売る側の視点:断られる理由を「価格」のせいにしない

私自身、売る側の長い時期、断られるたびに「もう少し安ければ決まったのに」と考えていました。

今は、少し違う見方をしています。多くの場合、価格が理由ではなく、相手に買う理由がなかったのだと思うのです。

この見方は、受ける側に回っても使えます。外注先が値上げを頼んでくるのは、こちらを選んでくれているからでもあります。条件が合わなくなったから、先に言ってくれている。そう受け取れるかどうかで、返事の中身が変わります。

顧客に損をさせない。同じことが、外注先にも言える

私が取引で守っているのは、顧客に損をさせず、自分たちも利益を得る、という一点です。

値下げで自分たちが痩せていく取引は、長く続きません。外注先も同じです。一方的に価格を抑えて、相手が痩せていく取引は、いずれ品質か納期のどこかに無理が出ます。その無理は、最後に自分たちに返ってきます。

返事の型:この3行を、1営業日以内に送る

・ご連絡ありがとうございます。値上げの理由と時期を、数字で教えてください。

・こちらでも検討し、◯日までにお返事します。

・条件を一緒に見直せる点があれば、あわせてご相談させてください。

長い返事は要りません。まず、受け取ったこと、いつ返すかを伝える。それだけで、協議に応じる姿勢が相手に伝わります。

取引先の一覧を開いて、確認してほしいこと

外注先・仕入れ先の一覧を開いて、「値上げの相談が来たら、誰が返事をするか」が決まっているか確認してください。決まっていなければ、今日決めて構いません。

もう一つ。売る側としては、自社の取引先の中に「価格の話しかしない相手」がどれくらいいるかも数えてみてください。価格で選ぶ相手は、価格で去っていきます。

よくある質問

Q. 値上げの相談には、必ず応じなければいけませんか?

応じる義務の範囲は、取引の内容によって変わります。法律上の判断は専門家に確認してください。ここで言えるのは、協議に応じず、説明もしないまま一方的に代金を決めることは避ける、ということです。

Q. 全部は受けられないときは、どうすればいいですか?

受けられる範囲と、受けられない範囲を分けて伝えてください。開始時期、数量、納期の調整で、折り合える場合があります。

Q. 返事の期限は、どれくらいが目安ですか?

まず、受け取ったことと、いつ返事をするかを、1営業日以内に伝えてください。内容の返事は、その期日までで構いません。


まとめ

・取適法は、価格の協議に応じ、説明することを求めている(細かい解釈は専門家へ)

・最低賃金は10月から地域ごとに順に上がっている。値上げの相談が増える時期

・最初に確認するのは、何が・いつ・どれだけ上がるか、そして受けられる範囲

・返事は1営業日以内に3行で送る

・顧客にも外注先にも、損をさせない取引を選ぶ

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