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商談は準備で9割決まる|受注率を上げる営業の事前準備と8つのチェック項目

2026/7/22

「もっと話がうまければ」「切り返しがうまくできれば」。商談が思うように進まないとき、多くの人は当日のトーク力を反省します。しかし受注率を左右しているのは、席に着いてからの話し方ではありません。商談は、準備の段階で9割が決まっています。

このコラムでは、才能やトーク力に頼らず結果を出すための「事前準備の型」を解説します。要点は次のとおりです。

  • 商談の成否は当日の話術ではなく、座る前の準備で大半が決まる

  • 準備の本当の目的は、本番で「聞く」ことだけに集中できる状態をつくること

  • 事前調査は8項目に絞り、最後に「最初に投げる問い」を1つ用意しておく

  • オンライン商談は中身の前に「環境」で差がつくため、開始前に整える

なぜ商談は準備で9割決まるのか

商談の場で余裕を持って話せる人は、生まれつき話し上手に見えます。しかし実際は逆で、事前準備で相手を深く理解しているからこそ、落ち着いて話せているだけです。

準備が浅いまま商談に臨むと、その場で相手の情報を探りながら話すことになります。頭の半分が「次に何を聞こうか」で占められている状態です。これでは相手の言葉の裏側や、本当に困っていることまで聞き取る余裕がありません。

一方、準備を終えている人は、当日は「聞く」ことだけに集中できます。相手の表情、声のトーン、一瞬の言い淀み。こうした小さな反応にこそ、商談を前に進めるヒントが隠れています。

商談の事前準備とは、当日に頭を空けておくための作業です。 情報を頭に入れておくのは、思い出すためではなく、本番で目の前の相手に集中するためだと考えると、準備の意味が変わってきます。

コミッターズ代表の川口は、野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度獲得しています。その理由は特別な話術ではなく、席に着く前に勝負をほぼ終わらせていたことにありました。準備で相手を理解していれば、当日は確認と傾聴に徹するだけで済むのです。

商談の事前準備チェックリスト|事前調査8項目

ここからは、商談前に必ず確認しておきたい事前調査の項目を紹介します。オンラインでも対面でも、確認すべき中身は変わりません。

相手と市場を把握する6つの視点

  1. 相手企業の収益構造 ― 何を主力商材にし、どこで売上を立てているか

  2. 直近のプレスリリース・採用情報 ― いま何に力を入れているかが表れる

  3. 会う相手の役職と決裁の位置 ― その人が決める人か、社内で稟議を上げる人か

  4. 業界全体の逆風・追い風 ― 相手が置かれている外部環境

  5. 競合の存在 ― 誰と比較され、どこで選ばれているか

  6. 相手のSNSや発信 ― 人柄や関心事が読み取れる

商談の主導権を握る2つの準備

  1. 想定される断り文句を3つ ― 反論を先回りして言葉を用意しておく

  2. こちらから最初に投げる問いを1つ ― 商談の入り口を行き当たりばったりにしない

8番目がもっとも重要です。「今日はまずこれを聞く」という問いを1つ決めておくだけで、最初の3分の質が大きく変わります。冒頭の空気は、その後の商談全体を左右します。

すべての項目を完璧に埋める必要はありません。ただ、何も調べずに臨むのと、この8つを頭に入れて臨むのとでは、相手が受ける印象がまるで違います。「この人はうちのことを分かっている」と感じてもらえること。それが信頼の入り口になります。

オンライン商談は「環境」で足を引っ張らない

対面よりもオンライン商談が主流になった今、意外と差がつくのが話の中身ではなく「環境」です。音声が途切れる、顔が暗くて表情が読めない、資料の共有にもたつく。中身がどれだけ良くても、こうした小さなストレスが積み重なると、相手の集中は少しずつ切れていきます。

最低限、次の4点は開始前に整えておきましょう。

  • マイクは口元の音をしっかり拾う位置に置く

  • 顔に光を当てる(窓を背にして逆光にならないようにする)

  • 共有する資料は1つのタブにまとめて開いておく

  • 通信が不安なら有線接続に切り替える

派手な準備は必要ありません。相手が中身だけに集中できる状態を、こちらが先につくっておく。オンライン商談のコツは、そのひと手間に尽きます。

準備は、才能を持たない人の最大の武器

事前準備は地味な作業で、特別なスキルもいりません。誰にでもできます。だからこそ多くの人が手を抜きます。そこに勝ち目があります。

トーク力は一朝一夕には身につきません。しかし準備は、今日の商談からすぐに差をつけられます。才能で負けている相手にも、準備の量でなら勝てます。地道に見える準備こそ、実力差を埋める最短の手段です。

商談がうまくいかないと感じている方は、話し方を変える前に、座る前の30分の使い方を変えてみてください。その30分で、勝負はすでに半分ついています。

商談準備を続けるための3つのコツ

事前準備が大切だと分かっていても、忙しい日々のなかで毎回徹底するのは簡単ではありません。準備を一度きりの根性論で終わらせず、無理なく続けられる仕組みに落とし込むコツを紹介します。

まず、準備項目をテンプレート化することです。このコラムの事前調査8項目のように、確認するポイントを毎回同じ順番でチェックできる形にしておけば、商談ごとに何を調べるか迷わなくなります。準備の質は、記憶力ではなく型の有無で決まります。

次に、調べた情報を1枚にまとめることです。相手企業の収益構造、決裁の位置、想定される断り文句、最初に投げる問い。これらを1枚のメモに集約しておくと、商談直前に短時間で全体を見返せます。情報が複数の資料に散らばっていると、肝心の本番で頭に入っていない状態になりがちです。

最後に、商談後に準備の精度を振り返ることです。想定した断り文句は当たっていたか、用意した問いは機能したか。うまくいった準備といかなかった準備を記録していくと、次回の準備がより短時間で正確になります。準備は一度で完成させるものではなく、商談のたびに磨かれていくものです。

よくある質問(FAQ)

Q. 商談の準備にはどれくらい時間をかければよいですか。

A. 目安として、商談1件あたり30分ほどで十分です。長く時間をかけることよりも、このコラムで挙げた事前調査8項目のように、確認すべきポイントを絞って毎回同じ型で準備することが大切です。型が決まっていれば、短時間でも準備の質は安定します。

Q. 商談前に情報が十分に集まらないときはどうすればよいですか。

A. すべてを埋められなくても問題ありません。まずは「会う相手の決裁の位置」と「最初に投げる問い」の2つだけでも用意しておきましょう。この2点があるだけで、商談の入り口の精度が大きく上がります。足りない情報は、当日のヒアリングで補う前提で構いません。

Q. オンライン商談で特に気をつけるべき準備は何ですか。

A. 音声・照明・資料共有・通信の4点です。中身以前に、これらの環境が整っていないと相手の集中が途切れてしまいます。開始前にマイクの位置、顔の明るさ、共有資料のタブ、通信の安定を確認しておくだけで、印象は大きく変わります。

Q. トークが苦手でも商談で結果は出せますか。

A. 出せます。当日の話術よりも、事前準備で相手を理解し、本番では「聞く」ことに集中するほうが商談は前に進みます。準備は才能を必要としないため、話すのが得意でない人ほど、準備で差をつける戦い方が有効です。

まとめ|商談の勝負は座る前についている

商談は、椅子に座ってから始まるものではありません。相手を理解し、断り文句に備え、最初の問いを1つ用意する。そしてオンラインなら環境を整える。この事前準備の型を回すだけで、受注率は着実に変わっていきます。トーク力を磨く前に、まずは座る前の準備を変えてみてください。

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