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営業で売れない時期を抜ける方法|底辺6年から全国1位になるまで

2026/7/22

営業で売れない時期が続くと、努力しているのに後輩に抜かれ、会社に戻るのが怖くなります。この記事は、そんな売れない期間の抜け方を、下積みを実際に経験した立場から解説するものです。

まず結論からお伝えします。営業で売れないのは、あなたの能力が低いからではありません。売れる人が当たり前にやっている行動の「順番」を、まだ知らないだけです。

この記事の要点は次の4つです。

  • 売れない原因の多くは才能ではなく、行動の順番を知らないこと

  • 伸び悩みを抜けるには「量→断られ方の分類→インプット→型化」の順番が有効

  • どこで負けたかを特定できる人だけが、売れる人へ変わっていく

  • 下積みの時間は無駄にならず、後で最大の武器に変わる

コミッターズ代表の川口は、野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度取りました。ただ、最初から売れていたわけではありません。むしろその前に、6年間の底辺時代があります。この記事では、その6年をどう抜けたのか、順番に沿ってお話しします。

営業で売れないとは、才能の問題ではない

はじめに、言葉の意味を整理します。

営業で売れないとは、能力が欠けている状態のことではなく、売れる人がやっている行動の順番をまだ身につけていない状態を指します。ここを取り違えると、「自分には向いていない」という結論に飛びついてしまい、抜け出す道を自分で閉ざしてしまいます。

川口の最初の配属は、宮崎支店でした。真夏の炎天下、スーツに塩を浮かせながら、住宅街を一日100件、多い日は200件、飛び込みで回っていました。それでも契約は取れませんでした。

成果が出ない日が続くと、飛び込む気力がなくなります。気力がなくなれば、当然また取れません。取れないから、もっと怖くなる。この負のサイクルから、何年も抜けられなかったといいます。

同期は500人ほどいましたが、一年で3割が辞めていきました。売れない人間は人格まで否定される世界で、「成績が出ないのは人間に問題があるからだ」と本気で言われる環境でした。夜は新規開拓したい相手への手紙を筆ペンで何枚も書き、睡眠時間は平均3時間ほど。それだけやっても、成果は出ませんでした。努力の量が足りなかったのではなく、努力の中身と順番が間違っていた。そう気づくのは、何年も後のことです。

後輩に抜かれ続けた4年間と、下積みの意味

2年目になれば楽になる、と思っていたそうです。ところが入ってくる後輩が、全員優秀でした。すぐに実績を抜かれ、4年目まではずっと下働き。評価は最低ランクで、最後には社内で誰も行きたがらない東京の支店へ異動になりました。当時は完全な左遷として受け止めていたといいます。

いま振り返ると、この6年間があったからこそ、いまの仕事が成り立っています。売れない人がどこでつまずくのか、何を怖いと感じ、何を言われると心が折れるのか。それを頭ではなく、体で全部知っているからです。

下積みの時期にいちばんこたえたのは、成果が出ないこと自体ではなく、周りが自分を「使えない人間」として扱うことでした。人は数字が出ていないと、その人の人格まで低く見積もります。逆に数字さえ出れば、多少の欠点は目をつぶられます。この環境で「自分には価値がない」と思い込むと、その思い込みがさらに行動を鈍らせます。売れない人ほど、この悪循環にはまります。だからこそ、まず行動量から立て直す必要があったのです。

伸び悩みを抜くきっかけは「順番」を教わったこと

抜けるきっかけになったのは、一人の人との出会いでした。

会社の紹介で、元リクルートのトップセールスだったという方に営業を相談する機会があり、その方は売れずに苦しむ人間を否定しませんでした。代わりに、売れる人が何を考え、どういう順番で動いているのかを淡々と教えてくれたそうです。

それまで受けてきたのは「気合が足りない」「人格に問題がある」という指導でした。営業を「順番」や「仕組み」として教わったのは、このときが初めてです。売れないのは精神論の問題ではなく、やるべきことの順番を知らないだけかもしれない。そう思えたことが、再起の入口になりました。

いまコミッターズが取り組む営業教育の原点も、ここにあります。売れない人を責めても、売れるようにはなりません。順番を教えれば、変わる。この一点を、自身の経験で信じているといいます。

営業で売れない時期を抜けた4つの順番

では、どうやって抜けたのか。順番が大事なので、その通りにお伝えします。才能でも根性でもなく、順番通りにやれば再現できる話です。

1. 量を、言い訳できないところまでやる

最初にやったのは、行動量を戻すことでした。飛び込みも手紙も電話も、とにかく数をこなします。

量は根性論ではありません。改善のためのデータを集める行為です。100件回れば、100件分の断られ方が手に入ります。そのデータがないうちは、質の上げようがありません。何が効いて何が効かないのかを判断する材料すら、量をこなさなければ手に入らないのです。

2. 断られ方を、記録して分類する

次にやったのは、断られ方を記録することでした。

同じ「結構です」でも、玄関先で言う「結構です」と、話を少し聞いた後の「結構です」はまったく別物です。前者はまだ何も伝わっておらず、後者は伝わったけれど刺さらなかった。原因が違うので、打ち手も違います。

断りは、だいたい4つに分かれます。

  • そもそも話を聞かない:最初の一言が相手の関心に触れていないサイン。つかみを変える

  • 話は聞くが興味を示さない:相手の課題に接続できていない。相手の業界を調べ直す

  • 興味はあるが決めない:判断材料や比較材料を渡せていない。決め手を用意する

  • 決めたいが今ではない:タイミングの問題。次に連絡する時期を約束して離れる

断りをひとくくりに「ダメだった」で処理していると、この違いは見えません。分類した瞬間から、改善は勘ではなく、負けた場所を特定した修正に変わります。売れない時期に決定的に足りなかったのは、この「どこで負けたのかを特定する」という発想でした。

3. インプットで、話す中身を変える

東京の支店では、上司から毎週一冊の読書感想文を課され、毎朝、日経新聞を隅々まで読みました。当時はきつい課題でしたが、これが効きました。

本や新聞を読むと、話せる中身が増えます。経済、経営、他の業界のこと。すると商談で、相手が「この人は分かっている」と感じる瞬間が少しずつ増えます。

営業は、話し方のうまさではなく、話す中身の厚みです。同じことを言っても、背景を知っている人の一言は重みが違います。担当する相手の業界のニュースを、必ず自分の言葉で説明できるようにしておくと、相手が話したい話題にこちらから入っていけます。売り込みではなく、業界の話し相手として認識される。ここが変わると、相手の聞く姿勢がまるで違ってきます。

4. 自分の勝ちパターンを、型にする

量をこなし、断られ方を分類し、中身を仕込む。これを続けるうちに、自分なりの勝ち筋が見えてきます。

どういう相手に、どういう順番で、何を話すと決まるのか。それをたまたまの成功で終わらせず、型として言葉にします。型にすると再現でき、再現できると成績が安定し、安定すると上振れが狙えます。

たとえば「初回は売らない。相手の課題を整理して、次の約束だけ取る」という型ができました。売れない時期は初回でなんとか決めようと焦り、かえって嫌われていたそうです。焦って売り込むほど、相手は引きます。初回のゴールを「決める」から「次につなぐ」に変えただけで、成約率が上がりました。才能ではなく、順番を変えただけです。

こうして6年目以降、成績は変わりました。全国約7,000名の中で1位を、最終的に4度。劇的な転機があったわけではなく、売れる人が当たり前にやっていた4つの順番を、一つずつ埋めていっただけでした。これが、全国1位への道の正体です。

底辺だった経験が、いちばんの武器になる

ここが、いちばんお伝えしたいことです。全国1位になったこと自体は武器ではありません。いちばんの武器は、6年間、底辺だったことです。

売れる人にしか、売れる人の気持ちは分かりません。しかし、売れる人と売れない人の両方を経験した人間は、売れない人が「どこで」「なぜ」つまずくのかが分かります。だから教えられるし、仕組みも作れます。

いまコミッターズは、営業を採用せずに販路を作る代理店開拓という仕事をしています。登録してくれた人の多くは営業のプロではなく、副業で時間も限られています。昔の川口と同じで、売れずに止まる人がほとんどです。登録しても8割が動かない。この現実に驚かなかったのは、売れない側の気持ちを6年かけて体で知っているからです。だから集めて終わりにせず、どうやって最初の一件を取ってもらうかに手をかけます。

一人のトップ営業がいる会社より、売れなかった人を売れるようにできる会社のほうが強い。トップ営業はいつか辞めますが、人を売れるようにする仕組みは残るからです。

売れる人と、売れない人の分かれ目

両方を経験して見えた分かれ目を一つだけ挙げます。それは、うまくいかなかったときに「何が悪かったのか」を特定できるかどうかです。

売れない時期は、契約が取れないと「今日もダメだった」で終わっていました。何がダメだったのかを特定しないので、翌日も同じやり方を繰り返します。一方で売れる人は、どこで相手が離れたのかを振り返り、原因の場所を特定して、次はそこだけを変えます。この積み重ねが、時間差で大きな差になります。才能があるように見える人も、多くはこの「特定して直す」を速く回しているだけです。

よくある質問(FAQ)

Q. 営業で売れない時期は、どのくらいで抜けられますか。

A. 人によりますが、行動量を戻し、断られ方を分類し、話す中身を仕込み、勝ち筋を型にする——この順番をやり切れば、時間差で必ず変化が出ます。順番を先に知っている分だけ、6年かけた川口より早く抜けられるはずです。

Q. 努力しているのに営業で伸び悩むのはなぜですか。

A. 努力の量ではなく、中身と順番がずれている可能性が高いです。特に「どこで負けたのか」を特定せず、うまくいかない日を「ダメだった」で片づけていると、翌日も同じ失敗を繰り返します。まずは断られ方を記録して分類することから始めてください。

Q. 才能がなくても営業で結果は出せますか。

A. 出せます。才能に見えるものの多くは「特定して直す」サイクルを速く回しているだけです。意識して同じことをやれば、才能がなくても追いつけます。

Q. 下積みの時間は、結局無駄になりませんか。

A. 無駄になりません。売れない側の気持ちや、つまずく場所を体で理解した経験は、後で人に教えたり仕組みを作ったりするときの最大の財産に変わります。

Q. 量をこなすことに意味はあるのですか。

A. あります。量は根性論ではなく、改善のためのデータを集める行為です。断られ方のパターンは、一定の数をこなさないと見えてきません。

まとめ|売れない時期は、順番で抜けられる

営業で売れないのは、才能がないからではなく、順番をまだ知らないだけです。量をこなし、断られ方を分類し、話す中身を仕込み、勝ちパターンを型にする。この順番をやり切った人は、時間差で必ず変わります。

そして、底辺の時間は無駄になりません。それは後で、誰かに教えられる財産に変わります。いまはそう思えなくても、抜けた後に必ず分かります。売れない時期の一歩目として、まずは自分の営業の現在地を客観的に把握するところから始めてみてください。

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