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営業が採用できない|育成・外注・代理店の使い分けで販路を作る
2026/7/22

営業が採用できないと感じている中小企業は、いま急速に増えています。募集しても応募が来ない、来ても続かない、育てても辞めていく。この壁は、多くの会社に共通する時代の構造です。ただ、販路を作る方法は採用だけではありません。本記事の要点は次のとおりです。
営業が採用できないのは会社の問題ではなく、人手不足という構造的な要因が大きいこと
販路を作る手段は「育成」「外注」「代理店」の3つがあること
3つはどれか一つに絞るものではなく、状況に応じて使い分けるものであること
選ぶ順番は「緊急度」「キャッシュ」「商材の複雑さ」で決まること
コミッターズ代表の川口は、野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度取り、現在は代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社を経営しています。その現場で見てきた「採用に頼らない販路づくり」の考え方を、この記事で整理します。
なぜ営業は採用できなくなったのか|人手不足という構造
最初に前提を整理します。営業の採用が難しくなったのは、自社の魅力が足りないからではありません。背景には、いくつかの構造的な理由があります。
一つ目は、働き手そのものが減っていることです。人口が縮小するなかで、あらゆる業界が限られた人材を取り合っています。営業の人手不足は、景気の波というより長期的な流れです。二つ目は、営業という職種が敬遠されやすくなっていることです。ノルマ、飛び込み、断られ続ける仕事というイメージが、若い世代から避けられがちです。三つ目は、中小企業が大手や人気企業との採用競争で不利になりやすいことです。
つまり、営業が採用できない状況は、多くの中小企業に共通する時代の条件です。だからこそ「採用を頑張る」以外の選択肢を持っておく必要があります。採用一本に賭けると、うまくいかなかったときに販路づくりそのものが止まってしまうからです。

中小企業が販路を作る3つの選択肢
営業が採用できない時代に、中小企業が販路を作るための選択肢は、大きく分けて3つあります。ここでは「育成」「外注」「代理店」を、それぞれの中身と向くケースで整理します。
選択肢1:採用して育成する
一つ目は、王道の「採用して自社で育てる」道です。うまくいけば最も強い選択肢になります。自社の商材を深く理解した営業が育てば、他に代えがたい戦力になるからです。
ただし、採用が難しいうえに、育成にも時間と手間がかかります。育てた人が辞めれば、また振り出しに戻ります。この道を選ぶなら、採用だけでなく、育成の仕組みと辞めさせない環境までセットで用意する覚悟が必要です。
育成で大切なのは、根性論ではなく型を教えることです。売れる人のやり方を順番として言語化し、未経験者でもなぞれるようにする。これができる会社は、採用した人を比較的早く戦力に変えられます。逆に「見て覚えろ」の会社は、育つ前に人が抜けていきます。
選択肢2:営業を外注する
二つ目は、営業活動そのものを外部に任せる道です。営業代行を使えば、自社で採用しなくてもプロの営業力をすぐに使えます。立ち上がりが速く、採用や育成の手間がかからないため、短期で商談を増やしたい場合に有効です。
一方で弱点もあります。費用が先に出ていきやすいこと、そして契約が終われば販路も止まりやすいことです。外注は動いてもらっている間は成果が出ますが、自社に営業力や販路が「残る」わけではありません。短期の起爆剤としては有効ですが、これ一本で長期の販路を作るのは難しい面があります。
選択肢3:代理店に売ってもらう
三つ目は、自社の商材を売ってくれるパートナー、すなわち代理店を作る道です。代理店開拓とは、すでに顧客基盤を持つ企業や個人に自社の商材を売ってもらう間接販売の手法です。
自社で営業を採用しなくても販路を広げられること、成果に連動する費用構造になりやすいこと、そして一度動く代理店が育てば会社の資産として残ることが、大きな利点です。弱点は立ち上がりに時間がかかることです。代理店を見つけ、商材を理解してもらい、売れる状態にするまでには手間と時間が必要です。すぐに成果がほしい場合には向きませんが、時間をかけて残る販路を作りたい会社には、最も相性のよい選択肢です。

3つの選択肢は組み合わせて使える
大切なのは、この3つをどれか一つに絞る必要はない、ということです。むしろ現実的なのは組み合わせて使うことです。
たとえば、短期の商談を営業代行で作りながら、並行して代理店網を育てる。あるいは、コアな商材は自社で育成した営業が担い、周辺の商材は代理店に任せる。会社の状況に応じて、育成・外注・代理店を使い分けるのです。営業が採用できないからといって、販路づくりを諦める必要はありません。採用は3つのうちの一つの手段に過ぎず、他にも道は残されています。
どの選択肢を選ぶか|判断の順番
3つの選択肢を前にして、どう決めればよいのか。おすすめする判断の順番を、具体的に整理します。
まず、いま一番の困りごとが「短期の売上不足」なのか「長期の販路不足」なのかをはっきりさせます。今月・来月の売上が足りないのか、それとも一年後・三年後に続く販路がないのか。緊急度が違えば、選ぶ手段も変わります。目先の売上が足りないなら、立ち上がりの速い外注が候補になります。長期の販路がないなら、時間はかかっても残る代理店が候補です。
次に、キャッシュの余裕を確認します。先に費用を投じる体力があるなら、外注や採用育成も選べます。資金繰りが厳しいなら、成果連動になりやすい代理店開拓のほうが無理がありません。
最後に、自社の商材が代理店や外注に理解してもらいやすいかを見ます。説明が複雑すぎる商材は、外部に売ってもらえる状態にするまで時間がかかります。その場合は、まず自社育成で商材を売れる人を作るほうが早いこともあります。緊急度、キャッシュ、商材の複雑さ。この3つで優先順位は自然と決まります。
採用に苦しむ会社がやりがちな失敗
営業が採用できないときに、陥りやすい失敗も挙げておきます。
一つ目は、採用にこだわりすぎて他の選択肢を検討しないことです。「営業を採用しなければ」という思い込みが強すぎると、外注や代理店という道が視界から消えます。採用は目的ではなく、販路を作るための一手段です。
二つ目は、採用できない原因を待遇のせいだけにすることです。条件も大切ですが、それ以上に、入った人が育つ仕組みがあるか、辞めない環境があるかが問われます。採ることばかり考えて育てて残す仕組みを作らないと、採っても採っても抜けていきます。
三つ目は、一人のできる営業に依存してしまうことです。運よく優秀な人を採用できても、その一人に頼りきると、辞めた瞬間に販路が止まります。一人に依存する構造は、それ自体が大きなリスクです。
自社育成を失敗させないための条件
選択肢1の採用育成を選ぶなら、失敗しないための条件を押さえておきましょう。多くの会社が、採用まではやるのに育成の設計を持たないまま現場に放り込み、人を潰してしまいます。
一つ目の条件は、売れる型を言語化しておくことです。誰に、どういう順番で、何を話すのか。売れる人のやり方を、未経験者がなぞれる手順にしておく。これがある会社は新人を早く戦力に変えられます。
二つ目は、最初の成功体験を早く持たせることです。人は一件でも自分で決められると続けられます。逆に何か月も成果ゼロだと心が折れて辞めます。最初の一件を、上司が同席してでも取らせる。この最初の成功が、その後を大きく左右します。
三つ目は、数字だけで人格を否定しないことです。育成期に、数字が出ないことを人格の問題にすると、伸びる前に潰れます。行動を認めながら、足りない部分を具体的に指摘する。この関わり方ができる会社だけが、採った人を辞めさせずに育てられます。
よくある質問(FAQ)
Q. 小さい会社でも代理店開拓はできますか。
A. できます。むしろ、採用に不利な小さい会社ほど、外部の売り手を活用する意味があります。規模ではなく、商材と、代理店を戦力化する関与の有無が成否を分けます。
Q. 3つのうち、まず何から手をつけるべきですか。
A. いま一番困っていることが何かによります。すぐに商談がほしいなら外注、時間をかけて残る販路を作りたいなら代理店、コア人材を育てたいなら採用育成です。緊急度と時間軸で決めるのが現実的です。
Q. 採用にかけていた予算を、他に回してもよいですか。
A. むしろ現実的な発想です。求人にかけていた費用と労力を外注や代理店の立ち上げに回すことで、採用より早く販路が作れる場合があります。採用を止める必要はありませんが、採用「だけ」に予算を集中させるのは、いまの時代はリスクが高いといえます。
Q. 代理店開拓は、社内に営業ノウハウがなくてもできますか。
A. 代理店を戦力化するには売れる型を持っていることが望ましいです。ただ、その型がまだ社内になくても、外部の支援を受けながら代理店と一緒に型を作っていくことは可能です。ゼロからでも始められますが、誰かがその型づくりを担う必要はあります。
まとめ|採用は目的ではなく販路を作る手段
営業が採用できないこと自体は、人手不足という時代の構造であって、あなたの会社の責任ではありません。大切なのは、そこで販路づくりを止めないことです。
育成・外注・代理店という3つの選択肢を、自社の状況に合わせて使い分ければ、営業を採用できなくても中小企業は販路を作れます。採用は販路を作るための一手段に過ぎません。一つの手段が難しいなら、別の手段で作ればよいのです。選択肢を複数持っている会社は、採用市場がどれだけ厳しくても前に進めます。
自社にどの組み合わせが合うのかは、商材や単価、いま欲しいのが短期の成果か長期の販路か、そしてキャッシュの状況によって変わります。まずは無料の営業診断アプリで自社の状況を客観的に把握し、そのうえで一緒に設計を整理していくことをおすすめします。

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